王子製紙、経営統合を目指し北越製紙の株式公開買付へ 日本製紙も乱入して混乱の様相に


国内製紙最大手の王子製紙が、経営統合を目指して同第5位の北越製紙に申し入れをしてから一連の騒動が始まって約一ヶ月たちました。

結局、北越側の賛同は得られず、三菱商事への第三者割当増資実施が行われ、王子側が株式公開買付を行い、それに日本製紙が北越株取得に乗り出すという極めて混沌とした経過をたどっています。

経過
7月3日……王子からの経営統合申し入れ
7月19日・…北越買収防衛策導入
7月21日・…北越が三菱商事に第三者割当増資を行うことを発表(払込は8月7日)
7月23日・…公開買付による統合案発表
7月24日・…北越が統合案を拒否
7月28日・…王子が公開買付凍結を提案
8月1日……王子が公開買付実施を発表(買付期間は8月2日から9月4日)
8月3日……日本製紙が北越株の取得を発表

※上記は日本経済新聞8月2日付一面の図の内容を参考に加筆しました。

大手企業間で敵対的な公開買付が行われるという極めて異例のケースで、それに業界のほかの会社が横槍を入れるという不思議な状況になっています。

王子製紙はもとより信託口を除くと1045株北越株を取得していますが、三菱商事への第三者割当増資の差止めはしなかった模様です。
北越は1単元が1000株なので差止めようと思えば可能ですが、前段階で時間をかけるのを嫌ったのかもしれません。

北越が導入している買収防衛策は、株主に対する新株予約権の無償割当です。
もっとも発動の要件を満たさないという見解が多く聞かれており、事実上、公開買付の成否は株主の動向にかかっている模様です。
日本製紙の参入もその辺を見て成立しては困ると思ったのかもしれません。

これだけ騒ぎになるとレピュテーションリスクが気になりますが、人材集めで困難をきたすことはあるかも知れませんが、製紙業界はそもそも個人顧客相手の商売ではなく比較的寡占が進んでいるので、世間を騒がせても目立った問題は生じないという判断があるのでしょう。
公開買付は800円で行われていますが、先週末の4日は846円で引けました。
7日に大幅増資となるのですが、ここままでは公開買付の成立は微妙になりそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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