最高裁、生保の自殺免責約款について下級審判決を否定


最高裁が、25日の判決で、生命保険約款の保険者の自殺免責約款についての解釈を示しました。

判決文はこちら

有名なはなしかと思いますが、生命保険では加入して1年以内に自殺すると保険金がおりませんが、それを経過するとおりるように約款が定められています。

これは商法の規定とは異なります。商法では、自殺は保険金支払いの免責事由としているからです。

この規定と約款の違いをどう解するか争点となった事件なのですが、下級審は、約款を推定規定とかいしました。

つまり、保険金目的の自殺は、そもそも契約したこと自体が、信義誠実の原則に反するので保険金支払い義務は生じないのですが、加入して一年以内ならその「保険金目的での加入」ということが推定されるというわけです。よって1年以上たっての場合は推定はされないものの、保険金目的であったことを立証さえすれば免れるという判示でした。

これに対して最高裁は、立証の困難を避けるための擬制であるという理解をして、1年を境に形式的に免責と支払いを分ける考え方を示しました。

下級審の考え方でも、実際は、立証が困難でしょうから結論としては同じになるように思われますが、訴訟事件の発生を抑えるという点では、最高裁の考え方に理があるといえるでしょう。

一番いいのは、自殺して保険金を得て何とかしようということがなくなるような経済情勢になることだと思いますが…。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

2 thoughts on “最高裁、生保の自殺免責約款について下級審判決を否定

  1. >生命保険では加入して1年以内に自殺すると保険金がおりません最近は自殺者が死亡原因の2位に位置するほど増加している為、“加入して1年以内”では死亡保険金がおりない保険会社が多くなっていますよ。ちなみに私が以前勤めていた保険会社は、“加入して2年以内”となっていました。  元セールスレディーうさぎより(^_^)v

  2. ご指摘ありがとうございます。私が勉強した約款では、1年のやつだったもので。また、取り上げた事件でも一年のものだったみたいですが、最近の実務については知りませんでした。これからも色々とご教授頂けると幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)