米連邦最高裁、特許製品と非特許製品の抱合せ販売に関して判例変更 当然違法を改め立証を要求


Illinois Tool Works Inc. v. Indep. Ink, Inc., No. 04–1329 (U.S.S.C. March 01, 2006)
特許と独禁法に関する事件です。
もともとはIndepがIllionisの前身であるTridentを訴えた事件です。
Tridentはインクジェットプリンタのヘッドに関する特許を有していて、その特許を利用する会社は契約で、必ずTridentのインクを使わなければいけないことになっていました。Tridentはインクに関しては特許を有しているわけではありませんでした。連邦最高裁は、1947年のInternational salt Co. v. United States, で示され、その後維持されてきた特許製品と非特許製品の抱き合わせは当然にシャーマン法違反となるという法理を変更、特許権者であることが当然に市場支配力を有することを意味するわけではないとして、原告は被告が特許を有している市場で市場支配力を有していることを証明しなくてはいけないとしました。
この判例変更について最高裁は、時代を経て裁判所、議会、公取委ともに抱き合わせについての評価が変わったこと指摘して理由としました。
市場支配力を有していることについての証明の機会を与えるため差し戻し。
一方の市場で有している支配力を用いて、別の市場での競争を有利にしようとするのが抱き合わせであり、特許を有することを支配力ありと自動で判断していたのを改め、そこについても個別に審理が必要であるとしたわけです。
日本法からは変更後の法理の方が当たりまえに思えますが、変更前のは per se illegal といいまして、日本法でいうなら事実上の推定を働かせることで立証責任の転換を図る扱いが近いのですが、独禁法違反に厳しい態度を取るための産物でした。
今回は近年の独禁法違反への考え方の変化を受けて、あえて言うなら普通に戻したわけです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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