民法債権編改正の方向性を検討へ


現代語化が達成されたばかりの民法ですが、つづいて第3編債権を抜本改正することになりました。
家族編以外は100年前の制定時とそれほど変わっていないことから、現代社会に対応できていないとして、抜本改正を図ることになりました。2009年の法案提出を目指すとされています。
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現時点で公開されている検討項目は、
・契約各則の整備
・消滅時効の違いの再検討
民法に規定がある契約類型は典型契約と呼ばれますが、売買などよく使われるものもありますが、まったく使わないものもきわめて多く、一方で実際社会の契約は複雑化の一途をたどりいろいろなものが現れてきました。
こういった実態から再検討するわけです。
しかし、契約各則は所詮任意規定でして、契約自由が基本です。
契約各則が現代的な典型契約を盛り込んだとしてもそれはスタンダードを定めたに過ぎない事に注意が必要です。
消滅時効は、1年、2年、10年、20年などさまざま分かれていますが、この違いが現代から見ると合理的か検討するそうです。
この検討のプロセスが変わっています。
法制審議会からはじめるのではなく、法務省内に内田貴教授をリーダーとする民法改正委員会を設置、検討するとのことです。
現時点で報道された内容だけでは、社会に与えるイメージはともかく、実際にやってみてのインパクトは、それほど強烈にはならない可能性がありますが、まだまだ債権編は内容が超多岐にわたるので、続報に注意したいと思います。
※情報追加(2006/02/20追加)
日経の記事はやはりアドバルーンだったようで、道垣内教授の法学教室の連載より、実際はかなり記事の記載と異なることが判明しました。
民法学者からなる私的な集まりが件の会であり、私的なものですが、東大法学部教授の私的検討というのはそのまま私的で終わるものではないのが常ですので、やはり今後に影響力を持ちますが具体的に民法改正案を作成しているというわけではないようです。
議論がまとまったら当然、法制審議会を通すことになるでしょうね。
また記事で具体的にあげられた内容を検討しているわけではないようで、典型契約を世間でよく使うものにアップデートするとかそういうお軽いことをしているわけでは全くないようです。
東大法学部教授の勉強会とかいうと法務省などからの参加があったりして、教育活動なのか行政なのか、私的なのか公的なのかよくわからないことがよくあります。
こういったケースの一つを内容の正確さはともかくとして日経が記事にしたということのようです。
そういえば私も特許庁の人の前で発表したことがありますなぁ。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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