サブリース賃料減額訴訟で和解成立、地主側の支払い額は大幅に減額


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地主負担で建物を建設、それを不動産会社が丸ごと借り上げてテナントを募るというビジネスをサブリースといいます。
法的にはただの賃貸借なのですが、地主が建設する資金は借り入れで手当てするため、その利払い等も考慮して不動産会社が支払う賃料を減額しない特約を結んだりすることが常態化していました。ケースによっては賃料が自動的に増加していく特約もありました。
オフィス需要の高まりがあって地価が下がることなど信じられなかったバブル期の産物ですが、バブル崩壊後の地価下落と供給過剰でテナントを募る不動産会社には収入よりも賃料が多いという逆ザヤが発生してしまい、自ら特約を無視して賃料減額の訴訟を起こす騒ぎが相次ぎました。
そのうちの一件が差し戻し審で和解が成立しました。
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法的に争点となったのは、借地借家法に定められた賃料減額請求権と特約のどちらが優先されるかという点です。
最高裁、サブリース契約で賃料減額請求権を優先、反対意見も(2004/11/09)で取り上げましたが、最高裁は基本的に、借地借家法は強行法規であり特約で破れるものではなく、賃貸借であるサブリースにも適用されるとしています。
その一方で、借地借家法で想定している借地借家の関係とサブリースでは異なるとして、総合的に事情を考慮として差し戻しているわけです。
この考え方の当否はともかくとして、最高裁のこうしたスタンスのため、今回の和解で地主が返還する払い込み済みの賃料の額は大幅に減額されて、17億円にとどまりました。請求側である住友不動産の主張がすべて通ったら、百数十億円に達するとされているので、賃料減額を認めなかったといったほうが妥当な結末になった模様です。
ビジネスのリスクをどちらが負うかという点から考えるならば当然とはいえますが、強行法規ではあるが総合考慮などというよくわからない理屈付けは問題を残したのではないでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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