日本的価値観からの決別


日経が最近、月刊のNIKKEI MAGAZINEとかいう別冊付録みたいなものをくれるのでよく読んでいるのですが、この間来たのに、小泉総理をたたえている文章が載っていました。
総理をたたえる本を出版するらしく、そのプロローグに当たるものみたいな扱いでしたが、政治を扱った本の例に漏れず、日々の報道では明かされなかった裏話を畳み掛けてドラマにするようなものでした。

印象的だったのは、郵政民営化法案の行方が懸念されていたとき打開を狙って、青木参議院議員会長が、成立と引き換えに総理が辞職するという提案をしたとされていた点でした。

政治に限らず日本によくある思考パターンで、要するに痛み分けということですが、事の当否はともかく両方とも半分半分の結果を得て我慢するというのは、喧嘩両成敗いらいの伝統的な思考ですね。

善悪や論理的優劣・一貫性などをさておいて、対面をある程度残すという観点からのうやむやな結論は、大人の思考なのかもしれませんが、実は双方に不満が残り、長い目で見ると最もよくない選択肢なのではないかと最近思います。

いわゆる「大人の世界」では、利害の衝突する当事者しかいないので、双方にほどほどということは、すべての当事者がマグマのように憎悪を抱えることになり、すっきり解消することができなくなるでしょう。
「抵抗勢力」として今は、排除の論理が働きますが、これまでの迷走は全勢力がほどほどの生き残り方をしてきたための混迷だったのだと思います。

そう考えると、優勝劣敗をつける社会の到来は、いい方向への変化なのではないかと思います。勝者が永続的に勝者ではなく、ダメになったらすぐにその場を追われてしまう柔軟性のある社会、敗者復活の機会がある社会ならば、全勢力が憎悪に囲まれて生き延びている社会よりは健全だと思います。
ライブドアから始まり、楽天や村上ファンドが報道をにぎわす今日ですが、マネーの論理をてこにしてごり押しをする姿は、品がないのは確かですが、日本社会が変わっていく姿の具現化でもあるのだと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)