マイクロソフト、ライセンス契約中の訴訟制限条項を削除


公取委の立ち入りを受けたばかりのマイクロソフトが、契約書の内容について大きく変更をすることにしたようです。

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日本経済新聞:2004/02/27より引用

米マイクロソフト、訴訟制限条項を削除

 米マイクロソフトは26日、パソコンメーカーと結ぶ基本ソフト(OS)の使用許諾(ライセンス)契約について、メーカー側がマイクロソフトを特許権侵害などで訴えられない効果を持つ条項を削除することを明らかにした。(略) パソコンメーカーが自社製品にOS「ウィンドウズXP」を搭載するためにマイクロソフトと契約した場合、OSの機能などがメーカー側の技術に酷似していても提訴できない条項がある。その削除を決めたのは「(OSの基本設計情報の条件付き開放も含めた)知的財産に関する開放戦略の一環」(日本法人)と説明している。削除は今年後半の新規契約から適用する。

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締結された契約書の内容というのは、交渉の結果の妥協とか力関係の違いとかを反映して、法的にはあまり美しくないもので、むしろ違法だったりうやむやだったりする条項があるほうが普通のようです。

マイクロソフトが圧倒的な巨人であるのは周知のことですが、その帝国は契約を駆使した法律の壁によって守られています。訴訟を起こされることを恐れず、むしろそれすら利用してここまでの道を登ってきたといえます。確か、日本で訴訟になったとき、ビル・ゲイツ会長は自ら日本に赴いて公判の場で陳述することを申し出たことがあったはずです。結局、裁判所側が心証はすでに取れているとして却下したらしいですが、トップからしてそれだけ意欲的ということが伺われます。

さてそのような法的創作の一部である契約書ですが、さすがに訴訟を制限するのは、違法じゃないでしょうか。紛争解決は仲裁でするとかならまだしも、使わせて頂く代わりに一切訴えませんというのは行き過ぎだと思われます。さすがに公序良俗に反するといえるのではないでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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