企業価値研究会、黄金株めぐり紛糾、提言決定を保留


神田教授が座長の経済産業省の研究会・企業価値研究会ですが、8日に予定していた提言のとりまとめが、黄金株をめぐって議論がまとまらず、提言を取りまとめるのを保留する事態になりました。
記事はこちら取りまとめ予定だった提言の内容についての記事はこちら

予定されていた提言は、買収防衛策と上場を認めるかの関係についてのもので、
ポイズンピル…株主平等取り扱いと情報開示が適切ならよし
黄金株…期間を1年に限定するか取締役会か株主総会の決議で無効とできるようにするなら可
取り決めた取締役でなければ解除できないようなものは不可とする
というものでした。

このうち黄金株について、上場を制限付きながら認める内容であることに反対意見が相次いだわけです。

確認ですが、黄金株とは、一定の事項について拒否権を持つ株式のことです。拒否権を持てる事項はあらかじめ定めておけばよいので、会社の重要な変更にかかわる事項をその拒否権にかからしめれば、資本多数決にかかわらず抵抗することができうるわけです。

日本では、現行の商法でも222条9項より種類株式の一種として導入は法的には可能となっており、より明確にした文言の規定が会社法の108条1項と323条に入っており、会社法施行後も態度を変えないことが明らかになっています。

しかし、そんな株式があってそれが譲渡制限か何かが付いていて、不動の誰かに握られていたら、買収者だけでなく一般株主も困るわけで、アメリカでは黄金株を発行している会社は上場できません。
ベンチャー企業など出資者の関与が大きな閉鎖会社で使うものとされているわけです。
日本における実際の導入例もそういった閉鎖会社に限られています。

企業価値研究会の提言はあくまで提言であって、黄金株を発行している会社は上場できないとするかどうかは東証が決めることですが、その前の動きでも意見が分かれたというわけです。

切り札みたいに感じている会社関係者も多いらしいので、こんな制限的とはいえ可能性を残すような文言になったのかもしれませんが、やはり公開会社にはふさわしくないでしょうね。

参考文献紹介付きのエントリーはこちら

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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