野武士


伊藤忠の丹羽宇一郎会長の「人は仕事で磨かれる」を読み終わりました。

反骨精神の塊みたいな方であるのがよくわかりました。
こういった気骨のある方も日本人の一部には必ずいるもので、「他に例を見ない」訳ではありませんが、なんとなく大人になって大人しくなっていくのが普通である中で、貫き通すというのはたいしたものです。

ただ、一般的にそういった人は煙たがられるので、人材と見てくれる上役がいるかが決定的に作用しますね。

肝心の内容ですが、日本人の傾向について「ブランコが揺れすぎる」という表現を使っておられますが、悪いとコテンパンにたたいてつぶしてしまい、ほめると極端なまでに神輿を担ぐことを懸念している下りがあります。この点は同感です。
たしかにその気はかなりあり、熱しやすく冷めやすく、一極集中で消費しつくす気があります。
マスコミ報道なんか見ていると、よくわかってもいないのにたたくだけたたくみたいなことをやたらとするので、特によく分かりますが、扱う当事者の品性の問題が反映しているのでしょう。

引っかかった点ですが、こういった気骨のある方は先に価値観が出来上がっていることが多いので、所々論理的でなく、「日本は既存のどれでもない新たな道を進まねばならない」的な論が出てきます。
弁論やディベートのやりすぎのせいか、本当にそうかどうかは、様々な要因とコスト分析をしないと言い切れないように思えてしまうのは弁論部出身者の悪い病気でしょうか。
日本人にあった未来は今の世界の模倣ではなく作り出さなければいけないという類の考え方は、根底に日本特殊論的な思想が潜んでいるので、そこを無前提にすると下手をすると思考停止に陥るんですよね。

実際は、世間は伊藤忠そのものをお神輿化しています。
果たして丹羽氏が本書で示した思いは、その通りに伝わるのか若干の疑問なしとはしません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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