複製権と暗号解除禁止の対立


デジタル化のおかげで著作権侵害が容易になったせいで販売者側と侵害の機会ないしツールを提供する側が、個別の侵害者の代わりに訴えられていますが、そのような事件のうちの一つです。ただ、たとえそういう争いでも、ポリシーの問題に昇華させてしまうのがアメリカのすごいところです。
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日本経済新聞:2004/02/23より引用

DVD映画、私的複製も違法・米連邦地裁

 【シリコンバレー=小柳建彦】北カリフォルニア地区米連邦地裁が、DVD(デジタル多用途ディスク)の映画ソフトの複製防止暗号を解除して複製を作ることはたとえ私的利用が目的でも違法とする判決を下した。これまで本や音楽CDなどの著作物を購入した消費者に広く認められてきた私的複製権を否定する判断で、米議会などでも議論を呼ぶ可能性がある。

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アメリカでは、私的目的での複製権と暗号解除の禁止が対立するという議論があるようです。
日本では、著作権法30条1項2号より、技術的保護手段の回避によるコピーは目的を問わずダメとなっており、そもそもの私的目的での複製権の内容がかなり制限的になっています(30条は複製権についての規定)。そのためアメリカのような議論は日本では今のところおきそうもありません。もっともアメリカの著作権法にも同趣旨の禁止条項はあり、その上で複製権と対立するという考え方のようです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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