スクウェア・エニックス、タイトーへのTOB成功、さらに産業再生法活用で完全子会社化へ


ゲームソフト大手スクウェア・エニックスがタイトーの完全子会社化を目指して行った公開買付は成功に終わり、93.70%の発行済み株式の取得に成功したことが明らかになりました。
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今後は取得できなかった分を産業再生法の活用で取得する方向で、先日のワールドのケースと同じ手法を用いることになりました。
TOB+産業再生法という手法が定着してきているので、産業再生法の内容について整理します。
産業再生法は産業活力の再生のための時限立法です。
経済産業省が担当しているだけあり、税法や民法・商法の原則を修正する例外措置からなるものすごい内容です。ちなみにここで導入されたいくらかの商法の例外は会社法でも採用されています。
法制度が変わっていくさまを知る事ができるいい例です。
産業再生法の12条の9にいわゆる「合併対価の柔軟化」の規定があります。
 (合併等に際してする特定金銭等の交付に関する特例)
第十二条の九 認定事業者である株式会社が認定計画に従って株式交換、吸収分割又は合併(合併をする株式会社の一方が合併後存続するものに限る。以下この条において同じ。)を行う場合において、当該認定事業者の事業再構築、共同事業再編又は経営資源再活用を行うために必要かつ適切であることについて主務省令で定めるところにより主務大臣の認定を受けたときは、存続会社等(株式交換により完全親会社となる株式会社、分割により営業を承継する株式会社又は合併後存続する株式会社をいう。以下この条において同じ。)は、株式交換、吸収分割又は合併に際してする新株の発行に代えて、特定金銭等(金銭又は他の株式会社の株式(定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めがある株式会社の株式を除く。以下この項、第四項及び第五項において同じ。)をいう。以下この条において同じ。)を消滅会社等(株式交換により完全子会社となる株式会社、分割をする株式会社又は合併により消滅する株式会社をいう。以下この条において同じ。)の株主(吸収分割をする場合における分割をする会社を含む。以下この条において同じ。)に交付することができる。この場合において、存続会社等及び消滅会社等は、次の各号に掲げる特定金銭等についてそれぞれ当該各号に定める事項を株式交換契約書、分割契約書又は合併契約書(第四項において「合併契約書等」という。)に記載しなければならない。
 一 金銭 各消滅会社等の株主に交付すべき金銭の額及びその合計額
 二 他の株式会社の株式 当該他の株式会社の商号並びに各消滅会社等の株主に交付すべきその株式の種類及び数並びに交付すべき株式の種類ごとの総数
(以下略)

この規定は単純にいうと、合併や株式交換をする場合、商法の原則とは異なり、自社の株式ではなく、金銭や他の会社の株式の交付を可能とするものです。
よって、完全子会社化する場合、TOBをまず行い、3分の2以上の発行済み株式を取得、続いて産業生成法の認定を申請して、認められたら12条の9に基づく株式交換を実施、金銭を交付するという流れになるわけです。
キャッシュアウトマージャーを若干迂遠な流れで実現しているというのが正確でしょう。
ライブドア以来の流れや収益回復が一巡してM&Aの局面になりつつあることを考えると当面はこの制度の利用が続きそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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