最高裁、「国際自由学園」の商標を他人の名称の著名な略称(自由学園)を含む商標と判断


自由学園という伝統ある学校があるそうですが、国際自由学園というビジネス専修学校も存在しており、98年に国際自由学園という商標を登録したそうです。
これに対して、自由学園の側が類似の名称であるとして取消しを求めていた訴訟の最高裁判決が22日に出されました。

最高裁第二小法廷は、自由学園の訴えを退けた原判決を破棄、「国際自由学園」は著名な略称を含む商標であり商標登録を受けることができない商標であると判示、知財高裁に審理を差し戻しました。
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問題となったのは、登録を受けることができない商標を定めた商標法4条1項のうち、8号です。

(商標登録を受けることができない商標)
第4条
1 (一~七号略)
八 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)

十 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十五 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)

原審が自由学園側の訴えを退けたのは、自由学園という商標が需要者である学生との間では周知性がないこと、国際自由学園の6文字で一体であるという二点を理由としたものでした。

しかし、最高裁は、自由学園の4文字は含まれているとして、自由学園が著名であれば、8号違反になるとしました。
その上で8号の解釈にあたり、10号や15号とは別に8号が設けられていることに注目し、10号や15号や需要者との関係を問題としているのに対してそれとは別に規定されている以上、8号は人格的利益であるとしました。
よって、対象は需要者に限られず、一般に受け入れられているかで判断するべきとして、教育関係者によく知られているので一般にもよく知られているとすることができるとしました。

「需要者の間に広く認識されている」という下りは商標法ではよくでてくる文言で、しかも条文によって範囲が異なるという曲者なのですが、これもその周辺の問題に位置づけられそうな気がします。

しかし、この理屈付けには何か妙なものを感じます。
教育関係者によく知られているなら、需要者にもよく知られていてもよさそうな気がするのですが…。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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