夢真ホールディングス、日本技術開発へ公開買付、日本技術開発は買収防衛策発動へ


建設現場施工管理の夢真ホールディングスは、建設コンサルティングの日本技術開発を株式公開買付をすると発表しました。これに対して、日本技術開発側は反発、買収防衛策の発動を示唆しています。
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日本技術開発は、買収を考えている側に情報提供を求め応じない場合は、株式分割・新株予約権発行などの対抗措置を取るとしています。
これに対して夢真側は取締役会の保身に使われるとしてこれに応じることを拒否、公開買付を実施する構えで、価格や株式数の修正、株式分割が実施された場合は撤回することを条件とした公開買付をすることを表明しました。
ここで問題として浮上してくるのは、証券取引法では、公開買付の買付予定株式数や買付価格の変更は認められず、撤回の条件を付しておく場合も事由は法律に限定列挙されており、対象会社による新株予約権の発行や株式分割は挙げられていない点です。
買付条件の変更が許されないのは、株価操縦に悪用されないためです。
また、撤回できる場合は、施行令の14条にあるのですが、株式交換や株式移転、会社の分割や減資などは上がっているものの新株予約権の発行や株式分割は挙げられていません。
この点について日経の特集記事で早稲田大学の上村教授は、立法趣旨の観点から公開買付中の株式分割は許されないとして、撤回事由にないとしてもそもそも実施できないとする見解を示しています。
しかし、多分、証券取引法は公法的な規制の色彩が強いですから、明文で禁止していない以上できると解するほかないかと思われます。
また施行令14条に挙げられていない以上、株式分割がなされたことを理由とする撤回はできないでしょう。
よって夢真が金融庁に提出した上申書にある「株式分割を理由とした撤回は認められる」という下りもみとめられるのは難しいのではないかと思われます。
公開買付をこういう形で使うことがあまりなかったせいもあり規定を欠いているのだという見解もありますが、証券取引法は撤回の事由を対象会社の総財産が減ってしまう場合か会社の基礎が変わってしまう場合に限定しているので、総財産に変化がない株式分割等が入っていないのもそれなりに理由があるかもしれません。
やたらと公開買付の公告をしてやたらと撤回されると混乱するため、一線を引いたという見方もできるでしょう。
本来公開買付は、特定の人から買いたいものだったため、プレミアをつけるという事態があまりなかったのでこれですんでいたのですが、本当に経営権をめぐって使うようになるとこの辺の規定もまた見直されるようになりそうですね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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