東証、過剰な敵対的買収策の自粛要請へ


敵対的買収の防衛策検討が時の話題となっていますが、東京証券取引所は過剰な防衛策の自粛を上場企業に求めていくことを表明しました。記事はこちら。ジャスダック市場も歩調をあわせる模様です。こちら

自粛を求めるのは
①黄金株
②経営陣に有利なポイズンピル
③複数議決権付株式
の3点で、防衛策の情報開示の徹底も併せて求めるようです。

黄金株は現行商法でも種類株の活用によって可能となります。
定款で特定の案件について種類株主総会の同意を要件としておくことで可能なのですが、現在は一部の株式のみ譲渡制限を付けるということができないために上場企業では活用できません。
東証は、譲渡制限をつけた会社の上場を認めていないためです。
一方非上場の会社ではベンチャーを中心に活用例が多いようです。

現在は一律に譲渡制限か制限なしかしかないためこのような事態は当たりまえなのですが、会社法によって種類株の内容として、種類株にだけ譲渡制限を付けることが可能となります。
このため東証は上場企業が一部上と制限の株式を出す事態をどうするのか対処が求められますが、この自粛要請からは、黄金株としての譲渡制限株式の発行は認めないことになります。

黄金株が切り札としてもてはやされる向きがありますが、そう簡単には導入はできないことになりそうです。

法的にも種類株主総会の同意を要件とするような定款の変更には、総株主の同意が必要とする説もないわけではなく、上場会社で本当にできるのかについては法理論的に疑念がないわけではありません。
ただ、株主平等の原則に反することをする際は、総株主の同意があればとりあえずいいのだろうという考え方が根強いため、そのような言説になっている面もあります。
定款自治への舵を切りつつある昨今では、たぶん可能なのではないかと思うのですが、実例が積み重ならないとなんともいえないので確言はできませんね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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