東芝EMI、「着うた」に関する排除勧告に応諾


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公正取引委員会から「着うた」の原盤権の独占的許諾で排除勧告を受けたレコード会社5社のうち、態度表明の期限延長を申し出ていた東芝EMIは、他の4社と異なり、排除勧告に応諾することを決めました。
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レコード大手5社の態度は分かれることになりましたが、コメントの中で東芝EMIは「勧告内容は遺憾だが、長期にわたる審判手続きにかかるコストなどを勘案し、応諾を決めた」としており、事実を認めたわけではなく、争うことにした4社へも配慮したコメントになっています。
今回も延長申し出は応諾へつながりましたね。

さて、この問題は、グループ経営と独禁法という問題を想起させます。
全額出資の子会社を作ってそこに親会社が何がしかを有しているもの販売を独占的に任せるというようなことはあちこちに例がありますが、そらは独禁法上問題とされない以上、合法なのですが、それとこの件では何が違うのでしょうか。

「不公正な取引方法」にある共同の取引拒絶に該当するからと単純には考えられますが、パテントプールなど形式的には該当しても独禁法違反にならないものもいくらでもあるため、実は条文だけ見ていても判断できません。

多分、正当化理由がないからというのが本当の理由ではないかと思います。
他者排除の場合、正当化理由とできるのは、インモラルな業者など好ましくない者の排除、インセンティブ確保などが考えられますが、著作権の許諾というこのケースに当てはめて考えると、ネット配信をする以上著作権の管理する意思と能力を欠いた業者の参入は困るということやよりよい著作物を生み出すためという形で主張を組み立てることができます。
しかし、良く似た「着メロ」というサービスがかなり広範な業者の手により行われている以上、メロディだけでなく現物の楽曲を使うからといって急に他の業者はダメと考えることができないでしょう。ここの理由があるのではないかなと思いますがあくまで私見です。

発展的な問題ですが、5社共同でで受け皿会社レーベルモバイルを作っていますが、これが5社ばらばらで、それぞれの会社が親会社の楽曲を「着うた」にするという形だったらどうだったでしょうか。
こうなるとまた別の要素が入り込んでくるので難しいですね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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